多数の問題を含む不動産を、一件ずつ調査・整理してきました
当社代表が事業を引き継いだ2012年当時、引き継いだ事業には、全国各地の多数の不動産が含まれていました。
しかし、物件ごとの資料や、それまでの経緯についての引継ぎは、ほとんど整理されていませんでした。
現地の状況が分からない土地、第三者が占有している建物、古い登記が残る不動産、境界や接道に問題のある土地、行政から是正を求められている物件など、さまざまな問題が重なっていました。
対応してきた案件の中には、長期間にわたる占有や共有関係、賃貸物件のトラブル、境界・私道・越境、複雑な登記や権利関係など、通常の売買や賃貸の手続だけでは整理しにくいものも含まれていました。
そこで、一件ずつ、
- 対象となる不動産を特定する
- 登記や図面を確認する
- 現地を調査する
- 行政その他の関係機関で必要な調査を行う
- 占有者や関係者を確認する
- 過去の資料を探す
- 法律、税務、登記、測量、建築等について、各専門家の判断や手続が必要な事項を切り分ける
- 保有、賃貸、改修、売却等、その後の活用方法を検討する
という作業を進めてきました。
こうした経験が、現在の「不動産の問題を『分かる形』に整理し、次の一手をつくる」という相談業務の基礎になっています。
※守秘義務およびプライバシーに配慮し、個人名、所在地、具体的な金額、時期その他の情報は、省略または一部変更しています。
※以下の事例には、当社が相談業務としてお受けした案件だけでなく、当社・代表者が所有者、貸主、債権者、売主・買主、工事発注者等の当事者として対応した案件も含まれます。
主要な解決事例
長期間解決しなかった明渡し問題を整理し、建物を再活用できる状態へ
問題となっていたこと
賃借人が長期間にわたり賃料を滞納し、連絡も十分に取れない状態が続いていました。
契約を解除したいと考えても、室内に荷物が残され、本人も退去しないため、所有者が適切な手続を経ずに室内へ入ったり、鍵を交換したり、荷物を処分したりすることはできません。
そのままでは、新しい入居者を募集することも、売却することもできない状態でした。
当社が行ったこと
まず、次の事項を整理しました。
- 賃貸借契約の内容
- 賃料の入金状況
- 滞納額と滞納期間
- 保証人や保証会社の有無
- これまでの連絡や督促の経緯
- 室内の使用状況
- 残置物の状況
そのうえで、弁護士と連携し、契約解除、建物明渡請求、訴訟、強制執行へ進むための資料と事実関係を整えました。
明渡しだけを目的とするのではなく、物件を取り戻した後の原状回復、再募集、売却等についても併せて検討しました。
結果
必要な法的手続を経て占有状態を解消し、残置物を整理したうえで、物件を再び使用・賃貸・売却できる状態に戻しました。
明渡しは、裁判や強制執行が終われば、それですべて解決するわけではありません。
物件を取り戻した後に、どの程度の工事を行い、どのように再活用するかまで考えることが重要です。
本事例では、滞納賃料の回収そのものではなく、適切な法的手続によって建物を取り戻し、その後の原状回復と再活用まで進めることを重視しました。
誰が使用しているか分からなかった遠方物件を調査し、賃貸借契約へ
問題となっていたこと
長期間、現地を確認していなかった遠方の建物について、誰が使用しているのか、空き家なのかも分からない状態でした。
所有者は固定資産税や火災保険料を負担していましたが、建物からの収入はなく、管理の実態もありませんでした。
当社が行ったこと
登記、固定資産税資料、取得時の資料等から対象不動産を特定し、現地調査を行いました。
その結果、第三者が長期間にわたり無償で居住していることが判明したため、次の事項を整理しました。
- 居住が始まった経緯
- 過去の所有者との関係
- 建物の現況
- 修繕や管理の必要性
- 明渡しを求める場合の費用と期間
- 今後も居住を認める場合の条件
明渡しを求める方法と、正式な賃貸借契約へ切り替える方法を比較し、建物の状態、費用、期間、当事者間の関係を踏まえて対応方針を検討しました。
結果
使用者との間で賃貸借契約を締結し、それまでの無償使用を、賃料が支払われる状態へ改めました。
誰が、どのような条件で使用しているのか分からなかった不動産を、所有者が管理できる状態に戻しました。
不動産問題では、必ずしも明渡しだけが解決方法ではありません。事情に応じて契約関係を明確にすることが、現実的な解決になる場合もあります。
契約と異なる用途・無断改装を解消し、安全に使用できる建物へ
問題となっていたこと
賃貸していた建物が、契約で予定していなかった用途に使われ、室内にも無断で間仕切りや設備が設置されていました。
改装内容によっては、建築・消防上の問題や、排水設備の不具合、漏水、近隣トラブル等が発生するおそれがありました。
そのまま使用を続けることは、建物全体の安全性や、所有者としての管理責任にも影響する状態でした。
当社が行ったこと
次の事項を確認・整理しました。
- 賃貸借契約上の使用目的
- 実際の使用状況
- 無断で行われた改装の内容
- 間仕切りや設備の設置状況
- 排水・電気・消防設備への影響
- 行政や消防からの指摘の有無
- 明渡し後に必要となる原状回復
法律上の手続については弁護士と協議し、賃借人の退去、無断設備の撤去、原状回復、法令上の問題の是正を進めました。
結果
契約と異なる使用を終了させ、無断で設置されていた内装や設備を撤去しました。
建物を再び安全かつ適切に使用できる状態へ戻し、その後の賃貸や活用を検討できる状態に整えました。
古い仮登記を抹消し、不動産を売却できる状態へ
問題となっていたこと
登記上、過去に設定された仮登記が残っていました。
仮登記とは、将来の本登記に備えて、登記上の順位をあらかじめ確保するための登記です。
しかし、仮登記の原因となった取引や債権が現在も存在するのか、残された書類だけでは判然としませんでした。
古い仮登記が残っていると、
- 所有権移転
- 売却
- 融資
- 担保設定
- 相続後の整理
などに支障が生じることがあります。
仮登記名義人が亡くなっている場合には、その相続人の確認も必要になります。
当社が行ったこと
まず、次の事項を整理しました。
- 仮登記の内容
- 登記原因
- 原因証書や過去の契約書
- 当時の当事者間の関係
- 金銭の授受や債権の有無
- 仮登記名義人とその相続関係
- 仮登記後の不動産の利用・管理状況
そのうえで、弁護士、司法書士等と連携し、どのような方法で抹消手続を進めるかを検討しました。
単に「古い登記だから消せる」と考えるのではなく、登記の背景となった事実関係を確認することが重要です。
結果
必要な資料と関係者を確認し、仮登記の抹消まで進めました。
登記上の障害がなくなったことで、所有権移転や売却等、次の手続へ進める状態を整えることができました。
土地上に残っていた第三者の建物・工作物を撤去
問題となっていたこと
所有する土地上に、第三者が設置した建物や工作物が残っていました。
設置から長期間が経過しており、
- 誰が設置したのか
- どのような約束があったのか
- 土地の使用を認めた経緯があったのか
- 現在、誰が所有・管理しているのか
- 撤去費用を誰が負担するのか
が、はっきりしない状態でした。
そのため、土地を利用することも、売却することも難しくなっていました。
当社が行ったこと
登記事項証明書、公図、契約書、過去の写真、図面、関係者とのやり取りなどを確認し、土地の所有関係と、建物・工作物が設置された経緯を整理しました。
特に、
- いつから存在しているのか
- 誰が設置・使用していたのか
- 使用を認める契約や合意があったのか
- 現在の権利関係について、弁護士へ確認すべき事項は何か
- 法定地上権その他の権利が問題となる可能性があるか
- 撤去後に土地をどのように利用するのか
を整理しました。
法律上の判断や相手方への請求については弁護士と連携し、撤去方法については工事業者等と検討しました。
結果
関係者と権利関係を整理し、最終的に建物・工作物を撤去しました。
その結果、土地を本来の目的に利用し、または売却等を検討できる状態に戻すことができました。
長年未解決だった境界問題を整理し、建築・売却へ進める状態へ
問題となっていたこと
隣接地との境界について認識が異なり、土地の一部をどちらが使用できるのかが問題となっていました。
境界標が見当たらず、古い図面と現在の利用状況も一致していませんでした。
境界が不明確なままでは、
- 建物を建てる
- 塀や擁壁を設置する
- 土地を分筆する
- 売却する
- 相続人間で分ける
といったことが難しくなります。
当社が行ったこと
登記事項証明書、公図、地積測量図、過去の測量資料、古い写真、工事記録、土地の使用経緯などを確認しました。
現地の状況だけでなく、
- 過去にどの範囲を境界として使用してきたのか
- 塀や構造物を誰が設置したのか
- 当時の所有者間でどのような認識があったのか
- 登記上の面積と現況がどのように異なっているのか
- 建築や売却のために、何を確定する必要があるのか
を整理しました。
測量や境界確認については土地家屋調査士、法的な主張や訴訟については弁護士と連携しました。
結果
資料、測量結果、土地の利用経緯等を整理し、境界に関する問題を解決しました。
その後、土地の分筆、利用、管理、建築または売却を進められる状態に整えました。
境界問題では、現在の測量結果だけでなく、過去の資料や利用の経緯が重要になることがあります。
複数の土地を分筆・合筆し、利用・売却しやすい区画へ
問題となっていたこと
土地が複数の筆に分かれ、形状や接道条件も複雑になっていました。
登記上の土地の単位と実際の利用区画が一致せず、そのままでは、
- 建物を建てにくい
- 一部だけを売却しにくい
- 相続人間で分けにくい
- 購入希望者へ説明しにくい
- 融資を受けにくい
といった問題がありました。
当社が行ったこと
登記、公図、測量図、道路、法令上の制限、上下水道等の状況を確認し、
- どの土地を合筆するのか
- どの位置で分筆するのか
- 各区画をどの道路へ接続させるのか
- 建物を建築できる形状になるのか
- 上下水道等をどのように整備するのか
- 売却後も管理上の問題が残らないか
を検討しました。
土地家屋調査士、設計事務所、行政、造成業者、不動産会社等と連携しながら、現実に利用・処分しやすい土地の形へ整えました。
結果
必要な分筆・合筆と土地利用の整理を行い、土地分譲、戸建住宅の分譲、売却等へ進める状態をつくりました。
土地は、同じ面積であっても、形状、接道、分け方によって利用可能性や市場性が大きく変わります。
崖・擁壁のある土地について、工事と売却を比較して整理
問題となっていたこと
崖や傾斜地を含む土地について、行政から安全対策や是正を求められていました。
崖崩れ防止工事を行う場合には多額の費用が必要になる一方、工事後も建築や土地利用に制約が残る可能性がありました。
そのまま保有すれば、
- 固定資産税等の負担
- 樹木や雑草の管理
- 地震や大雨の際の危険
- 近隣への損害発生リスク
- 行政による措置の可能性
が続く状態でした。
当社が行ったこと
行政からの通知、土地の形状、崖・擁壁の位置、道路との関係、法令上の制限、建築可能性、市場性等を確認しました。
そのうえで、建築士や設計事務所等と、
- どのような安全対策工事が必要か
- 工事費はどの程度か
- 工事後に建築・利用できるのか
- 保有を続けた場合の費用と責任
- 現況のまま売却できる可能性
- 売却時に買主へ説明すべき事項
を検討しました。
結果
工事費、工事後の利用制限、保有を続けるリスク、市場性を比較し、工事を行って保有するのではなく、現況とリスクを適切に説明したうえで売却する方法を選択しました。
その結果、将来にわたる安全上のリスクと管理負担を整理することができました。
機能していなかったマンション管理組合を立て直し
問題となっていたこと
自主管理の区分所有マンションで、管理組合が十分に機能せず、区分所有者間の関係も悪化していました。
一方で、
- 建物や設備の老朽化
- 修繕積立金の不足
- 管理規約と実態の不一致
- 法令上問題のある使用
- 修繕の停滞
- 管理を担う人の不足
といった問題が重なっていました。
当社が行ったこと
管理規約、総会・理事会資料、修繕積立金の状況、建物・設備の不具合、行政や消防からの指摘事項等を確認しました。
そのうえで、
- 定期的な理事会の開催
- 区分所有者間での情報共有
- 管理規約の見直し
- 修繕の優先順位付け
- 法令上問題のある使用の是正
- 管理会社への委託
を進めました。
必要な事項については、弁護士、管理会社、工事会社等とも連携しました。
結果
継続的に管理組合の運営を支援し、区分所有者間で建物の問題を話し合える状態へ改善しました。
管理会社へ委託できる体制を整え、計画的な修繕と建物管理を行える状態へ移行しました。
複数の法人・第三者が関係する不動産の権利関係を整理
問題となっていたこと
不動産の取得・利用の経緯と、登記名義や会計上の取扱いとの関係が複雑になっており、一つの不動産について複数の法人や第三者が関係していました。
契約書や取得時の資料も十分に整理されておらず、
- 誰が取得代金を負担したのか
- どの法人または当事者の資産として整理すべきか
- 各法人の帳簿ではどのように処理されているのか
- 売却代金を誰が受領すべきか
- どのような登記・税務処理が必要なのか
このままでは、売却、担保設定、相続、法人の整理等を進めることができません。
当社が行ったこと
登記事項証明書、過去の売買契約書、決算書、入出金記録、税務資料等を照合し、取得時から現在までの経緯を整理しました。
そのうえで、
- 所有関係について確認すべき事実
- 会計上の資産計上
- 登記名義
- 税務上の取扱い
- 名義変更や売却に必要な手続
を分けました。
法律上の所有関係は弁護士、税務上の取扱いは税理士、登記手続は司法書士と確認しながら、全体の整理を進めました。
結果
複数の法人や第三者の名義にまたがっていた不動産について、必要な税務・登記手続を経て権利関係を整理しました。
売却、保有、担保設定その他の次の手続へ進められる状態を整えました。
担保不動産の価値と競売手続を検討し、回収方針を整理
問題となっていたこと
貸付金等の返済が滞り、担保として設定されていた不動産から回収を図る必要がありました。
しかし、担保不動産があるからといって、必ず全額を回収できるわけではありません。
- 先順位抵当権の残高
- 不動産の市場価格
- 占有者の有無
- 滞納税金
- 売却に必要な費用
- 競売で予想される売却額
- 配当順位
などを確認しなければ、実際の回収可能性は判断できません。
当社が行ったこと
債権額、担保権の内容、登記順位、不動産の価格、占有状況、想定される費用等を整理しました。
そのうえで、
- 任意売却を待つのか
- 競売を申し立てるのか
- 競売に自ら入札するのか
- 落札後に保有・賃貸・売却するのか
- どの程度の回収が見込まれるのか
を比較しました。
当社は、担保不動産の価格、市場性、占有状況、競売における売却可能性、落札後の利用方法等を検討しました。
競売申立てに必要な資料を整え、必要な法的手続については弁護士等と連携しながら進めました。
また、別の案件では、競売物件へ自ら入札して落札し、取得後の利用・運用も行いました。
結果
検討した回収方針に基づき、弁護士等と連携して担保不動産競売を申し立て、その後の売却・配当手続へ進みました。
競売は、申立てや落札をすれば終わる手続ではありません。
不動産価格、権利関係、入札可能性、予想配当、落札後の利用や売却まで見通して判断することが重要です。
老朽化した賃貸物件を改修し、賃料を見直して再活用
問題となっていたこと
築年数が経過した賃貸物件で、設備や内装が現在の入居者ニーズに合わず、従来の条件では入居者を確保しにくい状態でした。
全面的に改修すれば費用が大きくなる一方、最低限の修繕だけでは、物件の競争力や賃料の改善が期待できませんでした。
当社が行ったこと
周辺の募集物件、賃料水準、想定される入居者層、競合物件の設備や内装等を調査し、
- どの入居者層を対象とするのか
- どの部分に工事費をかけるのか
- 既存の設備をどこまで生かすのか
- 工事後にどの程度の賃料が見込めるのか
- 工事費をどの程度の期間で回収できるのか
- 将来の修繕負担をどのように抑えるのか
を検討しました。
そのうえで改修内容を企画し、設計・工事関係者と調整して、工事を発注しました。
結果
リノベーション後に賃料を見直し、新しい条件で入居者を確保しました。
売却せず、改修によって収益力と使いやすさを高め、賃貸物件として保有を続ける選択肢を実現しました。
そのほかの解決・対応事例
老朽化・廃墟化した建物を解体し、管理負担を解消
問題となっていたこと
長期間使用されていない建物が老朽化し、修繕して利用することも難しい状態になっていました。
収益を生まない一方で、
- 固定資産税
- 火災や倒壊の危険
- 近隣への影響
- 防犯上の問題
- 草木や残置物の管理
- 将来の解体費用
といった負担が続いていました。
当社が行ったこと
建物の状態、修繕費、解体費、土地の市場性、借地関係、解体後の利用可能性等を確認しました。
修繕して利用する方法、現況で売却する方法、建物を解体する方法を比較し、工事業者から解体見積りを取得しました。
結果
修繕して保有を続けるよりも解体が適切と判断した建物について、解体工事を行いました。
倒壊や火災等の危険と、継続的な管理負担を解消し、土地の売却や再利用を検討できる状態にしました。
接道や私道に問題のある土地を整理
問題となっていたこと
土地が接している道路の種類や、私道の権利関係が分かりにくく、建築や売却が可能か判断できない状態でした。
私道持分の有無、通行や掘削の承諾、道路幅員、セットバック等、複数の確認事項がありました。
当社が行ったこと
次の資料と状況を確認しました。
- 登記事項証明書
- 公図、地積測量図
- 私道の所有者と持分
- 自治体の道路関係資料
- 建築確認関係資料
- 現地の道路幅員と接道状況
- 過去の通行・掘削承諾書
- 上下水道・ガス等の配管状況
そのうえで、建築・売却のために不足している資料や、弁護士、土地家屋調査士、建築士等へ確認すべき事項を整理しました。
結果
道路・私道・接道に関する問題点と、追加で必要となる調査や手続が明確になりました。
必要な専門家と連携し、建築、建替えまたは売却へ進むための道筋を整えました。
不動産の運営・活用・事業化に関する事例
賃貸物件の管理状況を検証し、PM会社を変更して運営体制を再構築
問題となっていたこと
賃貸物件の運営をPM会社(プロパティマネジメント会社)へ委託していましたが、委託している業務の範囲と、実際に行われている管理との間に差がありました。
具体的には、
- 入居者からの連絡や要望への対応に時間を要していた
- 空室の成約までに時間がかかっていた
- 空室募集の進捗が見えにくい
- 修繕や入居者対応の経過が共有されない
- 担当者によって対応に差がある
- 所有者が必要な情報を把握しにくい
といった課題がありました。
管理を委託していても、所有者が物件の収支や問題点を把握できなければ、適切な経営判断を行うことができません。
当社が行ったこと
まず、次の事項を確認しました。
- PM契約の内容と委託業務の範囲
- 月次報告書と収支の内容
- 賃料、管理費、修繕費等の入出金
- 空室の状況と募集条件
- 修繕や入居者対応の履歴
- 担当者との連絡・報告体制
- 所有者とPM会社の役割分担
そのうえで、現在のPM会社に改善を求める方法と、別のPM会社へ変更する方法を比較しました。
複数の候補会社について、
- 賃貸募集の方法
- 報告体制
- 管理業務の範囲
- 管理手数料
- 修繕時の対応
- 担当者の経験
- 引継ぎ体制
等を確認し、新たなPM会社を選定しました。
変更に際しては、賃貸借契約、敷金、鍵、入金口座、修繕履歴、入居者情報等が適切に引き継がれるよう、移管事項を整理しました。
結果
PM会社を変更し、月次報告、入出金管理、空室募集、修繕対応等について、所有者が状況を把握しやすい運営体制へ改めました。
物件の収支や課題を定期的に確認し、必要な対応を判断できる状態を整えました。
賃貸物件では、建物そのものだけでなく、管理を任せる会社の選定と、その業務を確認する仕組みも、運用成績を左右する重要な要素です。
土地の特性と市場を踏まえて戸建住宅の分譲を企画し、販売まで実施
問題となっていたこと
比較的規模の大きい土地をそのまま売却するだけでなく、戸建住宅を建築して分譲することにより、土地の利用価値を高められる可能性がありました。
一方、戸建住宅の分譲には、
- 土地の形状と接道
- 分筆方法
- 上下水道等の整備
- 建築可能な建物の規模
- 周辺の住宅需要
- 想定する購入者層
- 建築費と販売価格
- 販売までに要する期間
- 売主として負う責任
など、多くの検討事項があります。
当社が行ったこと
まず、周辺の土地・戸建住宅の取引事例、販売中の競合物件、購入者層、販売価格等を調査しました。
そのうえで、
- 土地をどのように区画するか
- 各区画の形状と接道をどうするか
- どの程度の建物を計画するか
- 購入者層に合う間取りや仕様は何か
- 建築費と販売価格の収支が成り立つか
- どの時期に、どのような方法で販売するか
を検討しました。
土地家屋調査士、設計事務所、建築会社、行政、不動産会社等と連携し、測量、分筆、設計、建築、販売までを進めました。
また、売主として、重要事項説明、売買契約、建物の引渡し等にも対応しました。
結果
土地の特性と地域の住宅需要に合わせて戸建住宅を企画・建築し、販売まで完了しました。
単に土地の価格を評価するだけでなく、土地をどのように利用し、建物を企画し、実際の購入者へ届けるかまで経験したことが、現在の相談業務にも生かされています。
土地活用を検討し、新築賃貸住宅を企画・建築して保有・運用
問題となっていたこと
保有する土地について、そのまま売却するのか、駐車場等として利用するのか、賃貸住宅を建築して長期保有するのかを検討する必要がありました。
賃貸住宅を建築する場合には、
- 周辺の賃貸需要
- 想定する入居者層
- 適切な間取りと戸数
- 想定賃料
- 建築費
- 借入金の返済
- 管理費、修繕費、固定資産税
- 空室が発生した場合の収支
- 将来の大規模修繕や売却
まで考える必要があります。
当社が行ったこと
周辺の賃貸市場、入居者層、賃料水準、競合物件の間取り・設備等を調査しました。
そのうえで、
- 建物の規模と戸数
- 入居者層に合う間取り
- 各住戸の想定賃料
- 建築費と資金計画
- 稼働率を変えた場合の収支
- 管理会社の選定
- 長期的な修繕計画
- 将来の売却可能性
を検討しました。
設計事務所、建築会社、金融機関、管理会社等と調整し、建築から入居者募集までを進めました。
結果
地域の賃貸需要に合わせた賃貸住宅を建築し、PM会社に入居者募集を依頼したうえで、賃貸物件として保有・運用を開始しました。
企画時の収支だけでなく、完成後の募集、管理、修繕、保有まで経験しているため、建築会社等から提示された事業計画を、所有者の立場から検討することができます。
商業用不動産の賃料水準を調査し、賃料設定・改定の判断材料を整理
問題となっていたこと
店舗、事務所、倉庫等の商業用不動産について、現在の賃料が市場水準に合っているのか判断しにくい状態でした。
住居と異なり、商業用不動産の賃料は、
- 所在地
- 駅からの距離
- 接道や視認性
- 階数
- 面積
- 建物設備
- 使用目的
- 契約条件
- 内装や造作
- 周辺の募集・成約状況
などによって大きく異なります。
単に近隣の募集賃料を見るだけでは、適切な賃料を判断できないことがあります。
当社が行ったこと
対象物件の賃貸借契約、建物・区画の内容、設備、現在の使用状況等を確認しました。
そのうえで、
- 周辺の募集事例
- 成約事例
- 同規模・同用途の類似物件
- 現行賃料と共益費等の構成
- 契約開始時からの市場変化
- 対象物件固有の利点と不利な点
- 空室となった場合の募集可能賃料
- 賃料を変更する場合の影響
を調査・整理しました。
結果
対象物件の個別性を踏まえた賃料水準を整理し、新規募集時の賃料設定、契約更新、賃料改定、保有継続等を検討するための判断材料を作成しました。
本事例は、賃料の法的な増減請求や相手方との交渉ではなく、不動産市場と物件の個別性から、検討の前提となる賃料水準を整理したものです。
解決事例を通じてお伝えしたいこと
難しい不動産問題では、最初から解決方法が分かるとは限りません。
むしろ、
何が問題なのか分からない
昔の資料が残っていない
現地がどのようになっているか分からない
誰に相談すればよいか分からない
複数の専門家から説明を受けたが、全体像が分からない
費用をかけて進めるべきか迷っている
という状態から始まることが多いものです。
当社では、いきなり結論を決めるのではなく、まず、現在の状況、過去の経緯、関係資料、関係者を整理します。
そのうえで、
- 当社で確認・整理すること
- 追加で調査すること
- 相談者が決めること
- 各専門家へ判断や手続を依頼すること
- 問題を解決した後、または現在の運営を見直した後に、不動産をどのように保有・活用・売却するのか
を分け、次に進むための道筋をつくります。
「自分の問題も、どこから手をつければよいか分からない」
「保有物件の管理や運用を、このまま続けてよいのか不安がある」
「売却する以外の活用方法がないか検討したい」
そのような段階からでも構いません。
まずは、現在分かっていること、困っていることをお聞かせください。
[これまでの経緯を清水に相談する]
※掲載している事例は、当社・代表者が実際に対応した案件を基礎に、匿名化・概要化したものです。個別の案件において、同様の結果を保証するものではありません。
※当社は、法律上の判断、相手方との代理交渉、調停・訴訟の代理その他の法律事務は行いません。必要な場合には、弁護士へ相談・依頼するための事実関係、資料、質問事項を整理します。
※登記、測量、境界確認、税務、建築等について専門的な判断や手続が必要な場合には、必要となる事項を整理し、司法書士、土地家屋調査士、税理士、建築士等へ相談・依頼するための準備を整えます。
※当社は、一般的な債権回収のみを目的とするご相談、日常的な賃貸管理、解体・修理その他の工事や作業そのものの請負は、原則として行っていません。

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